磯淵猛の紅茶の話 世界の紅茶店

   
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磯淵猛の磯淵猛の紅茶の話
ジュンパナ茶園のセカンドフラッシュ

「ジュンパナ茶園に行きたいのですが...」
「ウーム、大変ですよ、車は入れないし、急な坂道を徒歩で40分はかかる。」
「ええ、是非、ジュンパナティーは最近人気が出ていて、ロンドンでも評判が高いと聞いています。」

決心が固いとわかって、ガイドをつけてくれた。ジープで山道を登って行く。道が狭く、右下は目を覆いたくなるような崖だ。時折、濃い霧がかかって谷底が綿を盛ったようにふんわり見え、恐怖感が和らぐ。ジープは左側を崖面にこすり付けるようにのろのろ進んだ。道が悪く、穴ぼこと石に車輪を取られ、時々ハンドルが思わぬ方向に切られている。

「ここからは歩いて下さい。」

急に道幅が半分くらいになって止まってしまった。前方は霧に包まれて、これから雲の中に入っていくようだ。ガイドが私のバッグを肩にかけて歩き出した。少し登って、急に下り始める。下りきったところに小さな滝があった。そのあたりから茶木が植えられている。その間を今度は登り始めた。道幅は30cmほどだ。30度くらいの傾斜である。息が切れ、温度は20度くらいなのに汗が流れ落ちる。

「待ってくれ、ちょっと休もう。」

上からも下からも霧が沸き上がってきて、2メートル先も見えない。一体どうなるのか。息は少し落ち着いてきたが、今度は足が立たない。来てしまったことを後悔した。こんな秘境の地にジュンパナがあるとは想像もしなかった。

「ようこそ、大変だったでしょう。マハルシさんから電話があったので待っていました。」

ジュンパナ茶園の工場長、ムドガルさんが迎えてくれた。丁度午後からの茶摘みが始まったところだった。霧がところどころ晴れて、そのすき間に太陽がサーチライトのように照りつける。まるでステージを見ているようだ。 うす紫色の若葉が2枚、その先に生まれたての新芽が銀色に光っている。このままサラダにしても食べられそうに柔らかい。

茶摘みは女性が主体だが、ここでは男たちが大きなかごを額から背中に掛け、摘んでいた。汗がひいてくるとかなりの寒さである。日中は24,5度、夕方は15,6度になるという。これからセカンドフラッシュを摘む頃がダージリンに最もいい季節なのだ。

工場に戻って製茶を見た。摘んだ生葉は、14,5時間かけてしおらせ、それからローリングマシーンで揉む工程に入る。一回に20分ほど、これを2回、3回と行う。塊った茶葉をほぐし、2時間から2時間半くらい発酵させる。この過程がとても重要で、経験と勘がものを言う。その日の気温や温度によって、毎回、微妙にコントロールしなければならない。生葉は自然に生えても、紅茶に仕上げるのはやはり丁寧な人間の手であった。

今朝、出来立てのジュンパナが入れられた。梨、ピーチ、プラム、マスカット、そんなフルーツの前に花束を置いたような香り、水色は黄色いオレンジ色、少しグリーンがかっている。一口ゆっくりすする。甘く、ソフトでとろみがある。が、ぴりっとする快い刺激もある。絶品とはこのこと。ひざががくがくしながらもここにたどり着いて良かった。これを飲んだ瞬間にそう思った。

「すばらしい、パーフェクトですね。」
「いや、イソブチさん、次のセカンドフラッシュはもっとすごいですよ。」

ムドガルさんが指を立ててそう言ったのである。

 
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